2005 Fiscal Year Annual Research Report
高強度レーザー誘起プラズマCVD法によるセラミックス膜の超高速合成とナノ構造制御
Project/Area Number |
17686055
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
木村 禎一 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (10333882)
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Keywords | レーザー化学気相析出法 / ナノコンポジット / ジルコニア / ロジウム / 貴金属触媒 / ガス浄化触媒 / 複雑形状基材 / 微細構造制御 |
Research Abstract |
本年度研究では、レーザーCVD法によるZrO_2-Rhコンポジットの合成を行った。ZrO_2-Rhは、自動車用排気ガス浄化触媒としての応用が期待されるため、コンポジット膜の合成に先立ち、大比表面積の羽毛状表面を持つ柱状晶ZrO_2膜の合成条件を明らかにし、また、現在自動車用排気ガス浄化触媒の担体として用いられているセラミックス製ハニカム内壁への成膜も試みた。さらに、Rhとの同時析出によるナノコンポジットの合成も行った。 その結果、レーザーCVDでは、成膜速度が100μm/hを超える場合に柱状晶ZrO_2膜が生成することが明らかとなり、また、合成時の圧力を低下させることにより表面に羽毛状組織が顕著に生成することが明らかとなった。羽毛状組織の形態も、圧力とともに大きく変化し、比較的圧力が高い場合には、羽毛状組織は微細であったが、圧力を低くすることによって、よく発達した、2mm程度の隙間を持つ羽毛状組織が得られることが分かった。 ハニカム内壁への成膜のために、ハニカムを模した内径の異なるアルミナチューブ内壁への成膜を試みた。その結果、内径1mmおよび3mmのアルミナチューブ内壁にも、羽毛状表面を有する柱状晶ZrO_2膜を合成することができた。このとき、原料ガスの供給方向やレーザーの入射方向によらず、柱状晶の成長方向は基板表面に対して垂直であることが分かった。また、成膜できる領域のチューブ端面からの深さ(成膜深さ)は、全圧によって変化し、内径3mmのアルミナチューブでは、全圧3Torrで端面から3mmの深さまで膜が生成した。 Rhとの同時析出によって、直径数nmの微細なRh粒子とZrO_2からなるナノコンポジットの合成に成功した。しかも、Rhの同時析出によって、ZrO_2の微細構造はほとんど変化することがなく、羽毛状表面を持ったZrO_2膜中にRhナノ粒子を合成できることが分かった。
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