2007 Fiscal Year Annual Research Report
強相関相転移現象の表面化学と電界効果化学反応デバイスの開発
Project/Area Number |
17686056
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
松本 祐司 Tokyo Institute of Technology, 応用セラミしクス研究所, 准教授 (60302981)
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Keywords | レーザー分線エピタキシー / 強相関 / 相転移 / 電界効果 / 化学反応 |
Research Abstract |
本研究提案では、基礎と応用の観点から以下の2つを主な目的とする。 (1)強相関電子系に特有な電子状態の劇的な相転移現象の表面に与える影響を触媒反応のような化学的なアプローチで、STMを用いて原子レベルでこれを検証する。 (2)強相関電子系に特有の劇的な相転移現象を電界で制御し、その効果を最大限にチューニングすることで、表面での吸着や化学反応と組み合わせた超高感度化学センサーの原理証明を行う。 【研究成果1】超高真空温度可変高分解能STM-PLDシステムの開発本年度は、前年度に設計・開発したレーザー加熱型のPLD装置の立ち上げに、二酸化チタンアナターゼ薄膜、およびその表面上のCr担持構造の再現実験を行った。作製した二酸化チタン薄膜の原子像こそまだ得られていないが、ステップ-テラス構造をSTM観察することができた。また、in situでのLEED/AES解析と組み合わせ、Cr担持アナターゼ表面構造の形成機構に関する新しい知見を得ることができた。 【研究成果2】強相関系ハーフメタル材料Sr_2FeMoO_6薄膜の作製今後、温度可変のSTM観察で相転移温度が300〜400K付近である興味ある材料の1つとして、Sr_2FeMoO_6薄膜の作製を試みた。FeとNoの組成比を制御することで、バルク単結晶に匹敵するハーフメタル磁気特性を有する薄膜の作製に成功した。また、Fe/Mo比を変化させることで、相転移温度を制御できることがわかったので、STM観察に適した試料作製の指針を得ることができた。
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Research Products
(6 results)