2006 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロサイズ力学特性評価法の確立と鉛フリーはんだ材の物性解析
Project/Area Number |
17686060
|
Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
苅谷 義治 芝浦工業大学, 工学部, 助教授 (60354130)
|
Keywords | 鉛フリー / ミニチュア力学試験 / 電子実装 / 低サイクル疲労 / クリープ / マイクロ接合 |
Research Abstract |
昨年度,はんだ合金のミニチュア試験片(ゲージ長さ2mm,直径0.5mmのドッグボーン形状)によりはんだのクリープおよび疲労特性評価の実施し,微小はんだ材の特性は,大型のバルク材と異なる力学特性を示すことが明らかとなった.しかし,依然,実際の接合部に比較し,サイズが大きいため,本年度は,BGA(Ball Grid Array)バンプ1個のサイズ(500μm×500μm)の力学特性評価用微小はんだ接合試験片を試作し,その低サイクルせん断疲労特性を評価し以下の結果を得た.(1)Sn-3Ag-0.5Cuはんだ接合部は単結晶もしくは2〜3個の結晶粒で構成される特徴的な凝固組織となる.(2)この特徴的な組織により疲労変形中の応力はSn結晶の方位の影響を強く受ける.(3)しかし,ひずみ集中が大きな接合部形状においては,Sn-3Ag-0.5Cuの寿命は方位の影響を受けず,Manson-Coffinタイプの寿命予測式で精度良く寿命評価が可能である.(4)ひずみ集中が穏やかな接合部形状の場合,Sn-37Pbの低サイクル疲労寿命は,Manson-Coffin則で十分整理できるが,Manson-Coffin則を用いるとSn-3Ag-0.5Cuでは,ばらつきが大きく十分な精度が得られない.(5)Sn-3Ag-0.5Cuにおけるこのばらつきは,結晶粒が少ないSn-Ag-Cu系特有の組織に強く関連していると考えられ(結晶方位の影響),ひずみ集中の少ない接合部形状ほど疲労寿命は,この影響を強く受けることが明らかとなった.
|