2006 Fiscal Year Annual Research Report
エネルギー削減を目指した炭材複合ブリケット最適設計のための反応・伝熱解析モデル
Project/Area Number |
17686064
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
西岡 浩樹 九州大学, 大学院工学研究院, 助教授 (80294891)
|
Keywords | 炭材内装法 / 炭材内装ブリケット / 還元鉄製造 / 数学モデル / 還元反応 / ガス化反応 / Navier-Stokesの式 / 伝熱 |
Research Abstract |
本研究が対象としているプロセスは伝熱律速であるため、サンプルの熱物性値が反応速度を支配する重要な因子であるが、熱物性値は組織に大きく依存する。そこで本年度は、数学モデルの構築に必要不可欠な炭材複合ブリケットの組織と熱物性値との関係について調査を行った。 組織の異なる試料を作製するために、異なる流動度(logMFD)を有する3種類の炭材(logMFD=3.36,1.57,0)と2種類の鉱石(Fe_2O_3鉱石,Fe_3O_4鉱石)を組み合わせて使用した。これら6種類の試料を、それぞれ、石炭中の炭素(C)と鉱石中の酸素(O)がmol比で1:1になるように混合攪拌し、φ10mm×5mmのブリケット状に成型した。これをN_2雰囲気、773Kで30分予備焼成し揮発分を除去したものを、反応率0%の試料とした。これを所定の温度に所定の時間保持することにより、反応率25%,50%,75%,+85%の試料を作製した。各試料の室温から800Kの温度範囲における有効熱拡散率、比熱、有効熱伝導度を方形波パルス加熱法により測定した。 使用した鉱石の違いに着目すると、Fe_3O_4鉱石を使用した試料の有効熱拡散率はFe_2O_3鉱石を用いた試料の2〜4倍程度大きな値を示した。これはFe_3O_4がFe_2O_3より大きな熱拡散率を有していることに起因する。またlogMFDの増加に伴い、有効熱拡散率の上昇が確認されたが、SEMによる組織観察の結果、炭素と酸化鉄の接触が点接触から面接触へと変化することにより接触面積が増加し、熱抵抗が減少したためと考えられる。 50%以上の反応率を有する試料において有効熱拡散率の急激な上昇が確認されたが、これは、反応の進行に伴い主要な組織を形成する酸化鉄が金属鉄へと還元されたことに起因することがわかった。
|
Research Products
(2 results)