2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17686065
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
野村 幹弘 芝浦工業大学, 工学部, 講師 (50308194)
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Keywords | ゼオライト膜 / CVD処理 / 対向拡散法 / アモルファスシリカ / 粒界 / テトラケイ酸オルトメチル / ヘキシルトリメトキシシラン / デシルトリメトキシシラン |
Research Abstract |
本年度の最大の目標は、CVD法によるアモルファスシリカの蒸着によるゼオライト膜の粒界の制御である。処理後のシリカの安定性を考慮して500℃以上の高温での蒸着を検討している。CVD法として、2種の原料を用いる対向拡散法を適用した。まず、水素透過シリカ膜として実績のある酸素とテトラケイ酸オルトメチル(TMOS)を用いたCVD法(550℃)により、ゼオライト膜の処理を行った。MFIゼオライト膜は、α-アルミナキャピラリ(NOK製、細孔径100nm、φ2.9mm、長さ58mm)基材上へ水熱合成法(Si:TPAH=2:0.9)で、170℃にて90時間製膜した。TMOS処理(20分)では、SF_6透過率が1.3×10^<-8>mol m^<-2> s^<-1> Pa^<-1>から3.0×10<-9>mol m^<-2> s^<-1> Pa^<-1>と減少したが、N_2/SF_6透過率比も2.8から1.8と減少しており、シリカが粒界内で蒸着したのではなく、MFIゼオライト細孔内で蒸着したと推測される。550℃という高温での処理のため、TMOSもMFI細孔内へ拡散できたと思われる。そこで、次に、ヘキシルトリメトキシシラン(HTMOS)、デシルトリメトキシシラン(DTMOS)など大きなシリカ源を用いた。HTMOS処理を220分間行ったが、N_2/SF_6透過率比は2.0から2.7とあまり変化せず、H_2透過率も3.2×10^<-7>mol m^<-2> s^<-1> Pa^<-1>から5.8×10^<-8>mol m^<-2> s^<-1> Pa^<-1>と若干の減少であった。一方、100分のDTMOS処理では、SF6透過係数が5.3×10^<-8>mol m^<-2> s^<-1> Pa^<-1>から3.7×10^<-9>mol m^<-2> s^<-1> Pa^<-1>と一桁以上減少し、N_2/SF_6透過率比も3.4から13.1と向上した。選択性が高くなっていることより、粒界が選択的に閉塞できたといえる。
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Research Products
(3 results)