2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17686067
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
押谷 潤 岡山大学, 大学院自然科学研究科, 助教授 (70314656)
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Keywords | 比重分離 / 固気流動層 / 廃棄物 / リサイクル / コンクリート |
Research Abstract |
1.固気流動層を用いた乾式比重分離法によるコンクリート廃材からの有価物回収技術の構築を目的としてモルタルと砂利の分離を試みた。小型流動層を用いた基礎試験において、流動化粉体として用いる2成分粒子系の体積混合割合と空塔速度を変化させることで、流動層の見掛け比重を2.1〜2.7に調整でき、比重差が0.2程度の物体を分離可能な流動層を実現した。最適条件下では、モルタルと砂利を完全に上下層に浮沈させることが可能となった。従来の問題点を克服した浮沈物の取り出し機構を備えた半バッチ式比重分離装置を新規に作製し、モルタルと砂利の分離回収実験を行った結果、モルタル【approximately equal】100%、砂利【approximately equal】95%の高い回収率が得られた。 2.固気流動層を用いた乾式比重分離法の高効率化を図るために、比重差が小さく任意比重の物体を分離可能な流動層条件を示す「見掛け比重マップ」の作成を試みた。様々な2成分粒子を用いて、空塔速度比および流動化粒子の体積混合割合が流動層の見掛け比重とそのばらつきに及ぼす影響を検討した。見掛け比重は層内に充填した2成分粒子の総質量と層膨張に依存するため、流動化粒子の体積混合割合および空塔速度比によって制御可能であることが明らかとなった。見掛け比重のばらつきは粒子偏析と流動化の激しさの両者と密接な関係があり、偏析が小さく、流動化が穏やかであるほどそのばらつきを小さく抑えられることが明らかとなった。これらの知見に基づいて見掛け比重が0.5〜3.8の範囲で連続的な変化を持ち、そのばらつきがほぼ0.1以下である固気流動層を実現し、所望の「見掛け比重マップ」を得た。本マップにより、任意の分離物体に適した流動層条件を一目で知ることが可能となり、乾式比重分離法の2つの欠点であった流動層条件の決定に長時間を要すること、ならびに、比重差の小さい物体の分離が困難であるという問題点が回避可能となった。
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