2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17686070
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山本 勝俊 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (60343042)
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Keywords | ゼオライト / 構造指向剤 / Structure-directing agent / 層状化合物 / 複合化 / 水熱合成 / 新規物質 |
Research Abstract |
本研究は、触媒や吸着剤として広く利用されているゼオライトの高性能化、高機能化を目指し、新規構造を持つ物質の探索を行う。将来的な工業化を視野に入れ、安価で比較的容易に入手な有機化合物、あるいは単純な構造の有機化合物を、単独で、あるいは複合化して構造指向剤(SDA)として用いるというアプローチをとる。 SDAとしてテトラメチルアンモニウムカチオン(TMA^+)とテトラエチルアンモニウムカチオン(TEA^+)を複合して用いた場合、それぞれを単独で用いた場合には生成しないシリケート物質が得られた。そこで、これらのSDAを単独、あるいは複合化して用いた系の結晶化過程を詳細に調べたところ、TEA^+の存在により、生成相の結晶化速度が変化し、結果としてそれぞれを単独に用いた場合には得られない物質が合成できることがわかった。 一方、ヒドロキシル基を持つ四級アンモニウムカチオンを単独、あるいは複合化してSDAとして用いた場合、様々な新規層状シリケート物質が得られることがわかった。これらの層状シリケートのいくつかは、焼成によりFER型、あるいはCDO型ゼオライトへと構造変化した。このように、特異なSDAを用いることにより新しい層状シリケートが合成でき、それを経由することでゼオライトが得られることから、層状シリケート経由のアプローチが新規ゼオライト合成に対して有効である可能性が示唆された。 今後は、以上のような有効性が立証されたアプローチを継続して用いて合成研究を行うと同時に、これまでに得られた未同定生成物について、X線回折、高分解TEMなどを用いて結晶構造を決定する。
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