2006 Fiscal Year Annual Research Report
ナノメディスン用機能性ナノ構造体の超迅速高信頼性設計
Project/Area Number |
17686072
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
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Keywords | 蛍光II-VI族半導体量子ドット / シェルコア量子ドット / 毒性 / 光線感作物質 / 光線力学療法 / 垂直励起エネルギー / 温熱療法 / 第一原理計算 |
Research Abstract |
CdSe13,19,33,34のマジックナンバーからなるCdSe量子ドットの光学スペクトル計算を行い、実験結果と比較した。フラーレンライクな構造のスペクトルは測定されたものと良い一致を示し、計算で得られた構造が正しいことが確かめられた。次にコアとシェルから構成される新しい構造を計算により明らかにした。CdSe60,61はCdSe48のシェルとCdSe12,13のコアを持ち、大きなHOMO-LUMOギャップと接合エネルギーを示し、安定である。これは実験により1.4nmより大きな直径のフラーレンライクな構造を合成可能であることを示唆している。 有機溶媒による小さなCdSeクラスターの安定性と光学スペクトルへの影響を調べるために、垂直励起エネルギーのTDDFT計算と溶媒中のCdSeクラスターのスペクトルを比較検討した。ポルフィリン、フタロシアニンとその誘導体は光線感作物質として良く知られ、現在の治療では癌の光線力学治療として使われている。光吸収剤として高い効率を実現するためにレーザー励起波長にできるだけ近いポルフィリン、フタロシアニン誘導体を見いだすことが必要である。 そこで本研究では数個のポルフィリン、フタロシアニンからなる系の吸収スペクトルを計算した。モノマーがn=1-6個連なるポルフィリンアレイの孤立系(ガス相)の垂直励起エネルギーは赤外領域にシフトし、欠点である近紫外領域のピーク強度はアレイが長くなるに従い弱くなることを見出した。次にポルフィリンのメソの位置の水素をフェニル基で置き換え、モノマー、ダイマー、トライマーの吸収を調べた。同様に溶媒への溶解度を向上させるための置換基をつけても吸収スペクトルには大きな変化がなく、溶媒効果が小さいことが明らかになった。同様にフタロシアニンベースのオリゴマーについても計算を実施した。
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Research Products
(2 results)