2005 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ・ホール型電気推進システム:実用に直結する新要素技術の開発とその最適統合
Project/Area Number |
17686074
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
古川 剛 東北大学, 流体科学研究所, COEフェロー (00375148)
|
Keywords | 航空宇宙工学 / プラズマ・核融合 / 加速器 / 人工衛星 / 流体工学 |
Research Abstract |
高能力な日本発のマイクロ・ホール型電気推進システム(Japan-type Micro Hall Thruster System、J-MHTSと略す:申請者が本研究において独自に命名)の創製を目標に、本年度は、現在/世界の当該研究分野において信頼され得る推進機/システムを作り上げることを第一とした。従って、国内外の研究調査や専門的知識の提供を受けることを通して、研究系を高レベルに構築/その検証を行った。その上で、(1)実用に直結する新要素技術の開発、(2)高効率な推進システムに纏め上げるための各新要素技術の最適統合、(3)各新要素技術の理論による裏付け、に対して(2)の最適統合に至る(1)と(3)に重点をおいて研究を遂行した。 [新要素技術,理論]推進機のマイクロ化を実現できる高エネルギー効率な冷却システムの設計:先ず、推進機磁極付近に推進剤の特殊な循環経路を作製。これにより、推進剤を加速チャネル内に流入する前に本経路を通過させ推進機を冷却。逆に、推進剤は加熱され、陽極孔でのチョークにより推進剤粒子の音速は増加。新たに特別な機器を必要とせず、推進機のマイクロ化と性能向上を同時に見込める。また、推進機の外壁表面形状を工夫した冷却効果も併用(磁場形状に殆ど影響を与えない)。 [新要素技術,理論]生成イオンの加速を効率良く推力に変換できる加速チャネルの設計(これは、推進性能を決定付ける重要要素の一つである加速チャネルに焦点を絞り、高推力/高比推力の発生を可能とする設計指針を探るものである):壁面ロスを抑える方向に生成イオンを加速する(結果、スパッタの抑制によって耐久性も向上)、加速チャネルの最適形状を探る。二次電子放出係数の観点から、加速領域と電離領域に各々適する材質の壁面を選定する。これらは、粒子シミュレーションで最適な形状と壁面材を予測した後、製作、実験検証を行う。
|