2006 Fiscal Year Annual Research Report
核融合炉液体増殖材料配管における多機能性セラミックコーティングの開発
Project/Area Number |
17686077
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 晶大 東京大学, 大学院工学系研究科, 助教授 (80332188)
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Keywords | プラズマ・核融合 / 化学工学 / 物性実験 / 表面・界面物性 / セラミックス |
Research Abstract |
本年度は昨年度に引き続き、多機能性コーティング作成法の高度化を進めると共に、作成したコーティング材について液体リチウム中での共存性試験を実施した。また、作成したコーティング材にっいて水素透過試験体系の設計製作を行い、初期的な水素透過試験結果を得た。コーティング作成の高度化については、作成したコーティングについて、結晶性、不純物濃度、絶縁性等を詳細に測定し、その結果からコーティング作成条件の高度化を進める事によって行った。アークソースプラズマ蒸着法の作成条件の高度化にっいては、酸化エルビウムコーティングの膜質が、作成時のバイアス電圧は結晶性向上に影響なくむしろ高電圧では膜の破壊を進めること、作成時の基盤温度が500℃以上で良好な結晶性を得ることなどを明らかにした。さらに、これらのコーティングについて液体リチウムへの浸漬試験を進め、結晶性の向上により耐食性が向上すること、液体リチウム温度の上昇により若干の共存性の低下が見られること、コーティングの電気抵抗値は試験後も高い値を保っていることなどを明らかにした。また、高度化したコーティングの水素透過抑制にっいて実験し、コーティングを行わないバナジウム合金基盤やステンレス基盤より3〜6桁低い水素透過速度係数を得た。さらに、配管への施工が容易なコーティング手法による酸化エルビウムコーティングの作成法として、蒸着反応試験法及びsol-gel法による酸化エルビウムコーティングの作成条件の調整を進め、現在までに、蒸着反応試験法にて得られたコーティングについては高い耐食性を、sol-gel法によって得られたコーティングについては、高い水素透過抑制能を得ている。なお、本課題による主な成果発表は、国内学会及び国際学会において発表を行った。
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