2005 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝学を用いたセントロメアおよびヘテロクロマチン構造の形成機構の解析
Project/Area Number |
17687002
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
深川 竜郎 国立遺伝学研究所, 分子遺伝研究系, 助教授 (60321600)
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Keywords | セントロメア / DT40細胞 / 染色体分配 / キネトコア / RNAiマシーナリー / CENPs / プロテオミクス / 細胞分裂 |
Research Abstract |
染色体複製・分配のような基本的な生体反応に狂いが生じると染色体の異数化、細胞のがん化など細胞に対する悪影響が生じる。したがって、染色体複製や分配の正確な分子機構を解明することは、遺伝学における本質的な課題の一つである。報告者はこれまでに、高等動物の染色体分配機構に必須なセントロメアの形成機構の解明に注目して研究を進めてきた。本年度の研究では、主にプロテオミクスを用いて新規セントロメアタンパク質を同定し、それらの機能解析を通じてセントロメアの分子実体の解明を目指した。具体的には、CENP-KからCENP-RおよびCENP-50と名付けた9種類のタンパク質が、CENP-HおよびCENP-Iと巨大複合体を形成することを明らかにした。さらに、この複合体は、3種類のサブ複合体に分けられることも明らかになった。そのサブ複合体のうち、CENP-H,CENP-I,CENP-K,CENP-Lを含むサブクラスは、新しく合成されたCENP-Aがセントロメアにターゲットされる際のマークとして働いているということを示唆する結果を得た。また、CENP-O,CENP-P,CENP-Q,CENP-RおよびCENP-50からなるサブクラスのノックアウト細胞は、細胞の増殖が可能であり、他のサブクラスと異なった機能を有することが明らかになった。来年度以降は、ノックアウトマウスの作成も行い、細胞レベルだけでなく、個体レベルでの影響も解析する予定である
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Research Products
(6 results)