2006 Fiscal Year Annual Research Report
核膜孔複合体を介した物質輸送機構解明のための1分子解析学的アプローチ
Project/Area Number |
17687012
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉村 成弘 京都大学, 生命科学研究科, 助教授 (90346106)
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Keywords | 核膜孔複合体 / 核内輸送 / 原子間力顕微鏡 / 1分子蛍光観察技術 |
Research Abstract |
核膜孔複合体は、真核細胞の核膜に存在し、細胞質と核内部との物質のやりとりを仲介する巨大な複合体である。本研究課題では、この核膜孔複合体を介したタンパク質輸送の分子メカニズムを明らかにするために、生化学的手法と1分子観察・操作・計測技術とを組み合わせ、いかの成果を得た。 ・複合体を構成するタンパク質のうち、FGリピートを持つもの(FG-Nup)をクローニングし、大腸菌や昆虫細胞を用いて発現・精製した。これを用いてマイクロウェルプレートアッセイを行い、FG-Nupとインポーティンβとの相互作用を定量的に解析した結果、細胞質から核内部に向けて、インポーティンβに親和性の高いFG-Nupが配置されていることを示した。 ・原子間力顕微鏡を用いた1分子力計測で、インポーティンβ内にFG-Nupに対する結合部位が2カ所存在し、それぞれ異なる親和性を持っていることを明らかにした。また、RanGTP存在下では、この2つの結合部のうちひとつの親和性が著しく低下することを示した。 ・ガラス基板上に固定したFG-Nupに対して、Qドットでラベルしたインポーティンβを混合し、Qドットがガラス表面に結合する様子を、全反射型顕微鏡を用いて観察する系を構築した。これにより、インポーティンβとFG-Nupとの間の結合速度定数を求めた。また、表面プラズモン共鳴を用いて、同様に結合・解離速度定数を求めた。
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Research Products
(7 results)