2006 Fiscal Year Annual Research Report
線虫C.elegansにおけるカベオラを介したエンドサイトーシスの分子メカニズム
Project/Area Number |
17687018
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
佐藤 健 群馬大学, 生体調節研究所, 助教授 (30311343)
|
Keywords | 線虫 / C.elegans / 分泌 / カベオリン |
Research Abstract |
我々はC.elegansの生殖腺で発現しているカベオリンホモログCAV-1に注目し、生殖腺におけるその役割と細胞内動態について解析を行っている.昨年度に生殖腺においてCAV-1とGFPの融合タンパク質(CAV-1-GFP)を発現させ、その細胞内動態を解析した結果,カベオリンは卵母細胞の成熟とともに新規の細胞内膜区画(CAV-1 bodyと命名)に徐々に蓄積し、受精直前に細胞膜近傍へと輸送され,受精直後に一斉に細胞膜と融合することを見いだした.本年度はこのCAV-1 bodyの形成メカニズムについて解析を行った.まずタンパク質の小胞輸送に関わる低分子量GTPase,sar1,arf,rabの線虫遺伝子に関してRNAiライブラリーを作成し,発生初期段階におけるカベオリンの動態に関与する因子の同定を試みた.RNAi法による遺伝子ノックダウン解析の結果、CAV-1は低分子量GTPase SAR-1,RAB-1依存的に小胞体からゴルジ体へと輸送され、その後、卵母細胞の成熟に伴いARF-1依存的にCAV-1 bodyへとターゲットされることが明らかとなった.また卵母細胞がコレステロールを取り込む事のできないrme-2変異株では、CAV-1-GFPがCAV-1 bodyに正しくターゲットされず、細胞膜に蓄積してしまうことから、この過程にはコレステロールが関与していることが示唆された.一方、このCAV-1 bodyの分泌は受精できないspe-9変異体においても起きる事から、受精自体とは非依存的に起きることが判明した.しかしながら、減数分裂のMetaphaseからAnaphaseへの進行に働く因子の一つであるEMB-27をノックダウンするとCAV-1 bodyの分泌は抑制されることから、このプロセスは減数分裂の進行に連動しておこる現象であることが示唆された.
|