2005 Fiscal Year Annual Research Report
ホヤ初期胚発生におけるゲノムワイドな転写因子ネットワークの解析
Project/Area Number |
17687022
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐藤 ゆたか 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40314174)
|
Keywords | ホヤ / 転写因子ネットワーク / 遺伝子発現制御 / Ciona intestinalis / ゲノム |
Research Abstract |
ホヤ初期胚における発生システムの理解に向け、その根幹をなすと考えられる転写制御ネットワークをゲノムワイドに解析することが本研究の目的である。以前の研究成果によってCiona intestinalisの初期胚で発現する配列特異的転写因子遺伝子あるいは母性に発現する配列特異的転写因子遺伝子が網羅的に同定されている。加えて、転写因子ネットワークを相互に結びつけるシグナル伝達分子遺伝子も網羅的に同定・解析されている。この情報をもとにして以下の解析を行った。 1.機能解析にはcDNAクローニングによる正確な一次構造の情報は不可欠である。大部分の遺伝子はESTクローンによってカバーされているが、一部の遺伝子あるいは一部の遺伝子の5'末端側の配列は新たにクローニングが必要である。そこで、ESTクローンから得られたcDNAをRACEによるクローニングで補いつつ、406個のcDNAを得てその一次構造を正確に決定した。この情報をもとに以下の二つの解析を行った。 2.その情報をもとに母性あるいは初期胚で発現する約350の転写因子のDNA結合配列を含む領域を大腸菌での融合タンパク質発現用に組み替えた。このコンストラクトをもとに融合タンパク質の合成を行っている。この融合タンパク質を用いて来年度以降in vitro selection法により転写因子の結合配列を網羅的に決定し、転写因子ネットワークの解析に適用する。 3.初期胚で発現する転写因子遺伝子を網羅的にモルフォリノオリゴヌクレオチドで阻害し、初期胚で発現する転写因子遺伝子の発現に対する影響を網羅的に調べた。その結果、初期発生の転写因子ネットワークの概要を明らかにした。
|