2006 Fiscal Year Annual Research Report
バラ科果樹におけるソルビトールの合成・転流機構の解明とその機能の他植物への付与
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17688002
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
白武 勝裕 名古屋大学, 大学院生命農学研究科, 助教授 (90303586)
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Keywords | 園芸学 / 植物 / バイオテクノロジー / 糖 / ソルビトール / 転流 / 光合成 / ストレス耐性 |
Research Abstract |
1)バラ科果樹のソルビトールの師部濃縮におけるSOTの重要性 バラ科果樹のソルビトール師部濃縮におけるSOTの役割を明らかにするために,山形県農総研センターと共同して,セイヨウナシのノックダウン形質転換体の作出中に取り組んだ.まず,形質転換に用いるためのCaMV 35Sプロモータ下にSOTをアンチセンス方向で組み込んだ形質転換用ベクターを構築し,アグロバクテリウムに組み込んだ.本年度6月に,このアグロバクテリウムをセイヨウナシ葉片に感染させ,多くの形質転換カルスを得た.しかしながら,まだカルスから形質転換シュート(植物体)を得ることができていないため,カルスからのからのシュートの誘導ならびに,さらなる葉片へのアグロバクテリウムを続けている. 2)非ソルビトール合成植物へのソルビトールの合成・転流能力の付与 S6PDH, SDHおよびSOTをシロイヌナズナとトマトで発現させるためのベクターの構築を進めた.各遺伝子を適切な場所とタイミングで発現させるために必要なプロモータとして,S6PDHには葉肉細胞で発現するためのCABプロモータ,SOTには葉の師部特異的発現を示すSUC2プロモータ,SDHには恒常的発現を促すV-ATPase Aサブユニットプロモータまたはトマト果実特異的な2A11プロモータと連結し,それぞれのベクターを構築した.さらにそれら3つを同時に発現させるベクター(3連ベクター)の構築にも成功した.シロイヌナズナでは全4種類のベクターを形質転換し転換体も得られつつある.トマトでも3連ベクターの形質転換が順調に進んでおり,来年度の7月には形質転換体が得られる予定である.
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Research Products
(11 results)