2005 Fiscal Year Annual Research Report
食品成分の生体内代謝物をプローブとした生理機能の動的解析
Project/Area Number |
17688006
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
中村 宜督 岡山大学, 大学院自然科学研究科, 助教授 (60324381)
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Keywords | 食品成分 / 吸収と代謝 / 生理機能 / イソチオシネート / フラボノイド |
Research Abstract |
食品由来の機能性成分であるベンジルイソチオシアネート(BITC)やカテコール型フラボノイドの代謝産物をプローブとして機能性食品成分の高感度モニタリングを行うための基盤的研究を行った。BITCの機能性発現に化学構造に由来する求電子性が重要であることはこれまで知られていたが、細胞内小器官であり、アポトーシス誘導シグナルの情報伝達に重要な役割を果たしているミトコンドリアの機能をBITCが修飾し、その作用に求電子反応性が重要であることを明らかにした。求電子性を有するBITCやフェニルイソチオシアネートは、ミトコンドリアの呼吸を阻害するだけでなく、膜電位の低下やシトクロームcの放出を誘導したが、求電子性を持たないメチルチオカルバメート誘導体は全く不活性であった。また、BITCの効果はシクロスポリンAによって中和されたが、抗酸化剤によっては解除できなかった。この一連の研究から、生体内での主要な代謝産物であり、求電子性を持たないグルタチオン抱合体自身は不活性であることを支持するだけでなく、ミトコンドリアにおける分子標的が感受性の高いシステイン残基を有するタンパク質であり、その候補として、アデニンヌクレオチドトランスロカーゼが潜在的標的であることを強く示唆することが出来た。その一方で、様々なシグナル伝達に関与し、食品成分との相互作用も報告されているα-トコフェロールの細胞内シグナル伝達への影響を調べたところ、α-トコフェロールはカスパーゼ-3遺伝子発現を増強することを見出し、今後の検討課題として新たに、食品成分によるアポトーシスシグナルとのクロストークを動的に解析することを想定するに至った。
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Research Products
(7 results)