2005 Fiscal Year Annual Research Report
含窒素環状化合物の新規合成法を基盤としたインドールアルカロイドの合成研究
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17689003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
徳山 英利 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (00282608)
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Keywords | インドール / アルカロイド / 全合成 / ヤタケマイシン / 抗癌剤 / 癌 / アミノ化反応 / インドリン |
Research Abstract |
本年度は、抗腫瘍性構成物質であるヤタケマイシンの合成研究を中心にして検討を行った。ヤタケマイシンの2つのペプチド結合を逆合成的に切断して得られる3つのセグメントを、それぞれに含まれるsp2炭素-窒素結合を独自のヨウ化銅と酢酸セシウムを用いた芳香族ハロゲン化物の分子内アミノ化反応により形成する合成を試みた。まず、ジエノンシクロプロパン骨格を有する中央部セグメント環上に2級ヒドロキシル基を有するテトラヒドロキノリンへと逆合成した。この化合物の光学活性体の合成は、2,6-ジブロモヨードベンゼン誘導体のヨウ素選択的リチオ化により生成させたリチオ体とエピクロロヒドリンとの反応により合成した。窒素官能基の導入の後芳香族アミノ化を行いテトラヒドロキノリン環を形成した。さらに、残りのブロモ基へのデヒドロアラニンをHeck反応により導入し、ベンゼン環上へのブロモ化を経て、インドール骨格を再び銅触媒を用いた芳香族アミノ化を用いて形成し中央部フラグメントの合成を完了した。左部フラグメントについては、文献既知のジメトキシテトラヒドロイソキノリン誘導体をジブロモ化し、ジヒドロキソキノリン誘導体へと酸化を経た後にヘミアミナール誘導体へと誘導し、還元的開環を行って環化誘導体へと導いた。ここで、芳香族アミノ化反応を行い、Horner-Emmons反応によるデヒドロアミノ酸部分の構築と芳香族アミノ化、ヤタケマイシンに特徴的なチオールエステルへの変換を経て三環性骨格を含む左部セグメントを合成した。右部セグメントについても分子内芳香族アミノ化反応を用いて構築し、現在、それらセグメントの結合と全合成について最適化を行っている。
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