2006 Fiscal Year Annual Research Report
含窒素環状化合物の新規合成法を基盤としたインドールアルカロイドの合成研究
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17689003
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
徳山 英利 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (00282608)
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Keywords | インドール / アルカロイド / 全合成 / ヤタケマイシン / 抗癌剤 / インドリン / ペプチド結合 / 脱ベンジル化反応 |
Research Abstract |
本年度は、高い抗腫瘍性を示すヤタケマイシンの全合成を達成した。ヤタケマイシンの2つのペプチド結合を逆合成的に切断して得られる3つのセグメントについては、昨年の研究によって合成法を確立することができたので、本年度は確立された合成法に従って3つのセグメントのグラムスケールでの合成を行い、それらの縮合反応を含む全合成達成に向けた研究を行った。その結果、まず、中央部セグメントのピペリジン環部分と右フラングメントのカルボン酸を酸クロリドとして活性化したものを縮合した。得られた化合物のメチルエステルを加水分解し、同時にシリル保護の脱保護された中央部の第2級アルコール部分を最終段階でのシクロプロパン環の形成に備えてメシラートとした。続いて、チオールエステル基を有する左セグメントのインドリン窒素の保護基であるFmoc基をテトラブチルアンモニウムフロリドで除去した後、単離精製せずに中央、右セグメントのカップリング体と縮合させ、3つのセグメントが縮合した化合物を高収率で得ることができた。続く、右部、中央部のフェノールの保護基であるベンジル基の除去は、困難を極めたが、ペンタメチルベンゼンの存在下三塩化ホウ素で処理する条件を見いだし、他の官能基を損なわずに高収率で脱ベンジル化を行うことができた。最後にDMF水混合溶媒中、重曹での処理によって、シクロプロパン環を形成しヤタケマイシンの世界で2番目の全合成を達成した。
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