2005 Fiscal Year Annual Research Report
大規模RNAiライブラリーを用いたカルシウム流入分子機構の網羅的探索
Project/Area Number |
17689011
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
廣瀬 謙造 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00292730)
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Keywords | カルシウム / カルシウムストア / ゲノム / RNAi / siRNA |
Research Abstract |
本研究においては、転写産物を網羅する大規模なRNAiライブラリーからカルシウム流入機構をノックダウンするsiRNA配列を取得し、カルシウム流入機構を担う分子の探索を行うことを目的としている。本年度は、分子探索に必要である以下の2項目について技術基盤の整備を行った。1)RNAiライブラリーの構築と評価:ハイスループット化を可能にするため、従来のEPRIL法の酵素処理過程を見直し、改良を行った。この改変EPRIL法を用いて、Jurkat T細胞由来のRNAiライブラリーを作製した。作製されたRNAiライブラリーの質を確かめるため、一部分のクローンについてシークエンス解析を行い、ライブラリーが多数のsiRNA発現コンストラクトを含むことが確認された。また、RNAiライブラリーの質を機能面から評価するため、モデル系を用いたセレクション実験を行った。モデル系においてはGFPを発現させた細胞を用い、GFPの発現を抑制するようなsiRNAが取得可能であるかを検討した。その結果、GFP発現を特異的に抑制するsiRNA配列が取得可能であることが実証された。2)カルシウム濃度上昇によって選別する方法の確立:当初計画に従って、細胞内カルシウム濃度上昇により細胞死が誘発される細胞の作製を試みた。上流にNFAT結合配列を配置した最小プロモーターから、細胞死を効率よく誘発するジフテリア毒素が発現するコンストラクトを構築し、これを安定的に保持する細胞株を樹立することに成功した。また、偽陽性排除を目的とした実際のカルシウム濃度上昇による選別系についてモデル実験を行った。その結果、カルシウム蛍光指示薬を導入して実際にカルシウム濃度上昇が抑えられている細胞をセルソーターで分離することに成功した。また、カルシウムストア内腔のカルシウム濃度を正しく評価するためのGFPベースの蛍光プローブを作製した。
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