2006 Fiscal Year Annual Research Report
ストレス応答性アポトーシス制御因子の網羅的探索と機能解析
Project/Area Number |
17689015
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
吉田 清嗣 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教授 (70345312)
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Keywords | アポトーシス / ストレス / DNA損傷 / プロテオミクス / キナーゼ / がん細胞 |
Research Abstract |
PKCdeltaはDNA損傷などのストレス刺激に応じてアポトーシスを強く惹起することが知られている。抗がん剤によって活性化されたPKCdeltaはそのキナーゼドメインを含む触媒領域がp53と会合することを見出した。この会合がp53のリン酸化に関わっているかをPKCdeltaの阻害剤を用いて検討したところ、Ser46のリン酸化に関わっていることが示唆された。またPKCdeltaはp53DINP1と会合してp53にリクルートされることを明らかにした。Ser46のリン酸化はp53依存性アポトーシスに必須であることから、DNA損傷によって誘導されるアポトーシスにはPKCdeltaを介したp53のセリSer46のリン酸化が関わっており、新たなアポトーシス誘導機構が明らかとなった。またPKCdeltaの複合体構成因子の探索を目的として、PKCdeltaをベイトとした免疫沈降法による一次元電気泳動と質量分析計を用いたプロテオミクス解析を行っており、現在までに複数の会合分子を同定している。その一つとして細胞分裂に必須なタンパク質であるトポイソメラーゼIIalphaを単離した。PKCdeltaとトポイソメラーゼIIalphaの会合は細胞周期特異的であり、主にS期で観察された。またPKCdeltaによつてトポイソメラーゼIIalphaの発現が上昇し、それに伴い酵素活性も強まることがイン・ビトロ及び各種細胞を用いた実験から明らかとなった。またS期をターゲットとするような抗がん剤によるPKCdeltaの活性化がトポイソメラーゼIIalphaの過剰な活性化を引き起こし、この過剰な活性化が引き金となってアポトーシス誘導を惹起しているという、全く予想外の知見を得た。
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Research Products
(5 results)