2007 Fiscal Year Annual Research Report
多次元バイオイメージングで解明するがんと免疫の時空間シグナルネットワーク
Project/Area Number |
17689018
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大場 雄介 Hokkaido University, 大学院・医学研究科, 准教授 (30333503)
|
Keywords | GFP / FRET / バイオイメージング / 細胞内情報伝達 |
Research Abstract |
1.癌における時空間シグナルネットワーク (1)口腔内は上皮細胞増殖因子(EGF)が多量に存在する環境であるため、口腔癌の悪性化にはEGF受容体下流の情報伝達経路が重要である。口腔癌細胞において、EGF受容体の下流で上皮小体ホルモン関連蛋白質(PTHrP)が誘導され、PTHrPが口腔癌細胞の細胞増殖、運動能及び浸潤能等の悪性度を制御していることを明らかにした。本研究成果はBiochem. Biophys. Res. Commun.誌に発表した。 (2)悪性膠芽腫細胞における浸潤能を制御する分子機構として、転写因子OLIG2の発現と低分子量G蛋白質Rhoの活性化、さらにRhoの活性化の局在との関連を明らかにした。本研究成果はMol. Cancer Res.誌に発表した。 2.免疫におけるシグナルネットワーク (1)核酸による自然免疫系発動に関する分子動態について明らかにした。DNAをセンスする細胞内因子DAIを同定し、DAIとB型DNAの直接結合を画像化することに成功した。また、その過程が培養細胞でのインターフェロン産生に重要であることを明らかにし、Natureに報告した。また、2重鎖RNAに応答するToll様受容体下流におけるアダプター分子TICAM1の細胞内動態について解析し、J. Immunolo.誌に報告した。 (2)インターフェロン産生における負の制御因子IRF2のノックアウトマウスを用い、過剰なインターフェロンシグナルによって生じる慢性貧血の分子機序を明らかにした。本研究成果は、Exp. Hematol.誌に発表した。 本研究課題3年間での成果について、英文学術雑誌に計13本の報告を行った。
|