2007 Fiscal Year Annual Research Report
心筋細胞における酸化ストレスによる核DNAの損傷とその影響
Project/Area Number |
17689026
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
中村 一文 Okayama University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (10335630)
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Keywords | 酸化ストレス / DNA / 8-OHdG / DNA損傷 / DNA修復 / 心不全 / 心筋生検 / 心筋症 |
Research Abstract |
【緒言】DNA中のグアニン塩基が酸化損傷を受け、8位の炭素が酸化されることによって8-hydroxy-2'-deoxyguanosine(8-OHdG)が生成される。8-OHdGは酸化ストレスによるDNA損傷を示すマーカーであると考えられている。拡張型心筋症(DCM)患者の血清及び心筋において、8-OHdG上昇していることを報告した。(1:Nakamura K, et Al.Circulation2006;114:II-801,2:Kono Y,Nakamura'K, et Al.Circ J.2006;70:1001-5.)。更にCarvedilolによって心不全が改善されるとともに、酸化ストレスによるDNA損傷も軽減されることも報告した。今回さらに肥大型心筋症患者において検討し、収縮不全をしめす拡張相肥大型心筋症の病態との関与を検討した。 【方法】対象:肥大型心筋症33症例を対象とした。免疫組織染色:肥大型心筋症患者の心筋生検組織において、マウスモノクローナル抗8OHdG抗体を用いて検討した。 【結果】免疫組織染色 肥大型心筋症患者の心筋核内に8-OHdGを認めたが、対照群では認められなかった。8-OHdG陽性細胞の割合は拡張相肥大型心筋症で最も多く、8-OHdG陽性細胞の割合と左室の駆出率は逆相関した。 【結論】肥大型心筋症患者の心筋において、酸化ストレスによるDNA損傷を示すマーカーが上昇していた。酸化ストレスによるDNA障害が肥大型心筋症患者において収縮不全の進行に関係していた。
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