2005 Fiscal Year Annual Research Report
中枢性骨代謝制御の分子基盤-交感神経受容体及び摂食調節因子変異マウスによる検討-
Project/Area Number |
17689029
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
竹田 秀 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, COE拠点形成特任教員(特任助教授) (30376727)
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Keywords | 中枢性骨代謝 / 交感神経系 / ノックアウトマウス / 骨形成 |
Research Abstract |
(1)交感神経系を介する骨形成調節作用の分子メカニズムの解明 a)交感神経系β1、β2受容体欠損マウスの解析 交感神経系β1、β2受容体欠損マウスの骨組織解析を行った。すると、β1欠損マウスの骨量は正常であり、β2欠損マウスでのみ骨量は増加していた。その原因は、骨形成の増加と骨吸収の低下によるものであった(Elefteriou, Takeda_et al.Nature 2005)。骨吸収の低下は破骨細胞前駆細胞の異常に起因するものではなく、骨芽細胞の産生する破骨細胞分化促進因子であるRANKLの発現低下によるものであった。交感神経系刺激薬は骨芽細胞特異的転写因子であるATF4をリン酸化し、ATF4はRANKLのプロモーター活性を転写レベルで調節した(Taleda et al.BBRC2005)。また、Adrb2KOマウスでは卵巣切除による骨量の低下が認められなかった。こうして、交感神経遮断薬が骨粗鬆症の治療薬となりうることが明らかとなった。 b)交感神経シグナル伝達機構の解明 交感神経系を遮断することで、荷重の減少に伴う骨量の減少が防止できることを明らかにした(Kondo et al.JBC2005)。また、骨芽細胞の分化にかかわる因子として、すでに骨芽細胞へと分化した骨芽細胞をもちいて交感神経作動薬刺激下における遺伝子発現を網羅的に検討した。発現に相違が認められた遺伝子群のなかで骨芽細胞分化にかかわると思われる因子についてさらに検討中である。
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