2006 Fiscal Year Annual Research Report
超偏極希ガスのMRI/MRSによる新規肺機能診断法の開発に関する研究
Project/Area Number |
17689037
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
木村 敦臣 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (70303972)
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Keywords | 超偏極希ガス / MRI / MRS / 肺機能 |
Research Abstract |
本研究では、感度不足というMRI及びMRSに固有の問題を乗り越えるべく、連続フロい型超偏極希ガス製造装置を開発し、飛躍的に感度の増強された^<129>Xe及び^3HeのMR信号の連続観測を可能とした。超偏極^<129>Xeについては、平成17年度において既に約10000倍の感度増強に到達していたが、平成18年度は、^3Heの偏極効率の追求を行うため、光ポンピング法による超偏極希ガス製造時に使用するアルカリ金属触媒をカリウム-ルビジウム合金とし、これにより約5%の偏極率、即ち約5000倍の感度増強を達成した。この連続フロー式製造時におけるフロー量は、^<129>Xeガス及び^3Heガスのいずれについても約100ml/分、即ち約6l/時間まで可能とした。 本装置を使用してマグネット内のマウスに定常的に超偏極希ガスを供給することにより、肺におけるMRSにて、肺胞内に存在するガスに由来する信号を確認するとともに、^<129>Xe-MRSでは肺組織に溶解したガスに由来する2本の信号を明瞭に認めた。また、これらの信号を利用して、国内で初めて肺形態・機能画像の取得に成功した。超偏極希ガスを持続投与したのち、投与をやめた時の肺からのMRS信号の時間変化から得られる洗い出し曲線を解析することにより、インビボ縦緩和時間(T_1)及び肺血流速度を定量的に評価した結果、それぞれT_1としてT_1(^<129>Xe)=30.5sec、T_1(^3He)=68sec及び肺血流速度として0.016sec^<-1>を得た。肺血流速度については、核医学的手法により得られた値とほぼ同程度であり、被爆を避けることができるなど、本手法の優位性を確認することができた。加えて、インビボ縦緩和時間から肺胞内酸素分圧(pO_2)や肺換気速度など新たなパラメータの評価が可能であることを示唆した。
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Research Products
(4 results)