2005 Fiscal Year Annual Research Report
間葉系幹細胞から骨芽細胞分化が選別されるメカニズムの解明
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17689041
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Research Institution | Japanese Foundation For Cancer Research |
Principal Investigator |
前田 真吾 (財)癌研究会, 癌研究所生化学部, 研究員 (60353463)
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Keywords | 間葉系前駆細胞 / オステリクス / 骨芽細胞分化 / 軟骨細胞分化 / 脂肪細胞分化 |
Research Abstract |
骨芽細胞分化選別因子の第1候補としたOsterixをアデノ・ウイルスを用いて、10T1/2,C2C12,ST-2,mMSC(marrow stroma cell)といった間葉系前駆細胞に過剰発現させ、BMP-2(300ng/ml)で誘導される骨芽細胞分化と共に軟骨細胞、脂肪細胞への分化の抑制の有無を検討した。その結果、軟骨細胞に付いてはアルシャンブルー染色で評価できる軟骨基質の形成がOsterixによって抑制され、分子レベルでは軟骨分化のmaster regulatorであるSox9,Sox5の発現という分化早期で抑えられていた。脂肪細胞分化は、Nile red染色で明らかとなる細胞内脂肪滴の出現がやはりOsterixの過剰発現で抑制された。この変化が脂肪分化のregulatorであるPPARγ2の抑制から始まっており、分化早期に起きていた事も分かった。このことから、Osterixがあると骨芽細胞以外の分化が抑制されるという仮説が、in vitro培養系で矛盾の無い物となった。ただし、このevidenceが単に過剰発現によるartificialな現象である可能性も否定しておかなければならない。そこでOsterixのノックダウンを検討することとした。手法としてshRNAによるノックダウンを選んだが、間葉系前駆細胞はどれもトランスフェクション効率が悪く、オリゴのままでは使えないことが当初から予想された。そこでレンチ・ウイルスによってshRNAを導入する方法を獲得した。shRNAについてはそのデザインが重要な因子であるが、12種類のデザインを検討してやっと一ついいノックダウン効率を有し、off-target効果のないshRNAが得られた。現在これを駆使して骨芽細胞分化が抑制される条件で、同時に軟骨分化・脂肪細胞分化が促進するのかどうかを詳細に検討中である。
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