2006 Fiscal Year Annual Research Report
間葉系幹細胞から骨芽細胞分化が選別されるメカニズムの解明
Project/Area Number |
17689041
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Research Institution | Japanese Foundation For Cancer Research |
Principal Investigator |
前田 真吾 (財)癌研究会, 癌研究所生化学部, 研究員 (60353463)
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Keywords | 間葉系前駆細胞 / Osterix / 骨芽細胞分化 / 分化選別 |
Research Abstract |
骨芽細胞分化選別因子の候補遺伝子Osterixのレンチウイルスによるノックダウン実験を行った。アデノウイルスによる過剰発現系で見られた軟骨細胞分化や脂肪細胞分化の抑制の逆、すなわち促進を期待した訳であるが、予想に反してOsterixのloss of functionはin vitroでは何の変化も示さなかった。これはOsterixのノックアウトマウスの内軟骨性骨化に伴う現象から得られた考察に基づく仮説なので、in vitroではうまく環境を再現出来ていない可能性がある。下記標的遺伝子が決定したら遺伝子改変マウスを作製したい。 Osterixの間接作用、特にOsterixが誘導する骨特異的de novo遺伝子の検索に入った。OsterixのアデノウイルスをBMP作用の有無でそれぞれmMSCとC3H10T1/2細胞に感染させてマイクロアレイを施行した。BMPが主に骨芽細胞分化を促進するmMSCと、BMPによって軟骨分化が進むが、Osterix感染によって骨芽細胞分化にshiftするC3H10T1/2を比較した。特にC3H10T1/2での動きが大事で、BMP単独(軟骨分化環境)では発現がmMSCのBMP添加群と比べて低く、Osterixを入れて初めて上がる遺伝子に注目した。Osterixの下流である目的遺伝子は、Osterixの上流であるRunx2によっても間接的に誘導されるはずであるから、Runx2のアデノウイルスの感染も行った。その結果、約45,000 probe setsの中から19遺伝子が残った。さらにこの中で骨芽細胞に発現が限局されるものを探した。なぜならば、Osterixは骨芽細胞にしか発現しないからである。その結果、3つの遺伝子がスクリーニングをパスした。現在これらの発現ベクターの作製からウイルスまで完成しており、機能解析を間葉系細胞で開始している。
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