2005 Fiscal Year Annual Research Report
cDNAマイクロアレーを用いたCDDP耐性機序の究明と耐性解除による頭頚部癌制圧
Project/Area Number |
17689043
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小川 武則 東北大学, 病院, 医員 (50375060)
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Keywords | マイクロアレイ / 癌 / 薬剤反応性 / 発現制御 / 外科 |
Research Abstract |
頭頸部扁平上皮癌細胞株を用い、以下の実験結果を得た。 1、CDDP耐性変異株を作成し、MTT assayを用いたIC50はRPMI2650耐性変異株(CR株)においての9.4倍を最高に、10種類全てで有意に増加を認めた。 2、Flow cytometryを用いたアポトーシス解析では、RPMI2650CR株を筆頭に、IMC3、Ca9-22の2種を除く8種耐性変異株においてCDDP投与アポトーシス誘導能の減少が認められた。 3、2色蛍光cDNA microarray解析(遺伝子数23040)では、RPMI2650,HSQ89,IMC4の親株、CR株において、Cluster解析で共通の遺伝子発現様式を示した。CR株で発現が上昇している遺伝子群は399個有り、この内RPMI2650CR株で2倍以上発現が上昇した遺伝子は205個であった。205個中、3種類のCR株全てで2倍以上発現上昇していた遺伝子は145個であった。CDDP投与後の検討比較においてもその全てで発現が上昇していた。 さらに発現上昇が顕著であった2種類において以下の結果を得た。 4、定量RT-PCRで再現性を確認した。 5、Immunoblottingにて親株と比較し、CR株蛋白発現の増加を確認した。 6、施設内の倫理委員会承認の上、上顎癌再発検体の免疫染色で発現が増加している可能性を示した。 7、Codelink microarray(Amersham bioscience)(遺伝子数20000)を用い、RPMI2650親株、CR株の発現プロファイリング解析を行い、10倍以上の発現上昇を31遺伝子で確認した。 8、親株のmouseへの移植、増殖を確認した。 今後は、関与遺伝子の絞り込みの後、耐性関与遺伝子導入によるCDDP耐性化実験、RNAiを用いたCDDP獲得耐性解除化実験、臨床検体での検討を進めていく予定である。
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