2005 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄血管前駆細胞を使った網膜血管再生治療及び網膜神経保護療法の開発
Project/Area Number |
17689045
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大谷 篤史 京都大学, 医学研究科, 助手 (30314222)
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Keywords | 骨髄幹細胞 / 網膜疾患 / 血管前駆細胞 / 末梢血幹細胞 |
Research Abstract |
骨髄血管前駆細胞から血管内皮細胞への分化培養系を確立した。マーカーとしてCD31,VEGFR2,VECAM1などを用い、免疫組織化学的手法を用いて内皮細胞への分化を確認した。ヒト末梢血細胞から単球を分離し、同培養系にて血管内皮前駆細胞へ分化させ、ヒトによる分化能、効率をみた。加齢の黄斑変性症患者、若年者、老年者ではそれら機能に違いがあることがわかった。検討した項目はコロニー形成能、細胞遊走能、細胞増殖能、管腔形成能などである。動物モデルとして、脈絡膜新生血管形成モデル、骨髄移植モデルを確立した。これにより、今後、骨髄細胞機能と眼疾患の関連を動物モデルを通して検証することが出来るようになった。網膜色素変性症モデルでは血管周囲細胞(アストロサイト、マクロファージ)などの形態、活性変化を詳細に観察、比較した。現在、網膜色素変性症マウス(RD1,RDS)、ラット(RCS)を使って骨髄血管前駆細胞投与による血管量増加、変性遅延効果を確かめている。また、骨髄投与の安全性を確認するため、成体マウスに骨髄Lin-細胞を硝子体投与し、それら細胞の動態と網膜を中心とした眼球変化をみた。一部細胞が硝子体に残存したものの、網膜自体には特に変化はなく、形態学的にも正常であった。投与した骨髄細胞はおそらく循環血中に出て、脾臓などに局在していると考えられるが、現在検索中である。現時点では安全性に特に問題は無いと考えられる。病態によって末梢血中のCD34陽性細胞数が変化することも確認できた。眼局所の小さい病変でもその活動性によって全身的に循環している末梢血細胞が影響を受けることを確認できたことは非常に意義が大きい。
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Research Products
(1 results)