2005 Fiscal Year Annual Research Report
ラット三叉神経節におけるLPS受容体の発現および炎症による影響の検討
Project/Area Number |
17689053
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
和達 礼子 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (00334441)
|
Keywords | TLR4 / CD14 / LPS / 三叉神経節 |
Research Abstract |
Toll 4 receptor(TLR4)およびCD14は、細菌の構成要素であるLipopolysaccaride(LPS)の受容体である。これらは、昆虫を含む大部分の生物に共通な構造から成り、非選択的免疫作用を誘発し炎症を引き起こす。歯髄疾患および根尖性歯周炎は、しばしば強い痛みを生じるとともに、治療後も疼痛が持続することがある。本実験の目的は、TLR4およびCD14の受容体の分布を調査し、細菌による刺激が三叉神経にダイレクトに痛み情報を伝え、炎症や痛覚過敏を惹起させる可能性を検討することである。 雄性Wisterラットの三叉神経節を採取し、直ちに凍結した。凍結切片を作成し、以下の一次抗体により二重染色を行った。 ・ウサギ抗CD14抗体あるいはウサギ抗TLR抗体 ・モルモット抗VR1(カプサイシン受容体)抗体あるいはマウス抗N52抗体 抗VR1陽性細胞はC線維を、抗N52抗体は感覚神経を示す。その結果、C線維あるいは感覚神経の細胞体と考えられる細胞にTLR4が発現していたこと、CD14はほとんど発現していなかったことが明らかにされた。このことから、細菌あるいは細菌産生物が、歯髄や根尖歯周組織中の神経を刺激し炎症性メディエーターの遊離を誘発する以外に、直接神経に働きかける可能性が示された。
|