2005 Fiscal Year Annual Research Report
顎骨骨膜細胞を用いた、効果的な抜歯窩治癒促進法の開発
Project/Area Number |
17689059
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
黒田 真司 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 助手 (50323689)
|
Keywords | 骨膜細胞 / 遺伝子導入 / BMP-2 / VEGF / 骨形成 |
Research Abstract |
本実験は、顎骨骨膜より得た細胞を用いて抜歯窩の治癒を効果的に促進させることを目的とする。そこで17年度では骨膜細胞の培養法および骨芽細胞への誘導を確立するため実験を行った。 ウサギの下顎骨骨膜より採取した骨膜をコラゲナーゼ処理し、α-MEM(10%FBS)培地にて骨膜細胞を培養した。またその細胞の形質は、4代の継代培養において変化は観られなかった。さらに通法に従い,dexamethasone、β-glycerphosphate、ascorbic acidを培養液に加え、骨膜細胞の骨芽細胞への分化誘導を試みた。その結果、アルカリフォスファターゼ陽性の細胞の増殖および石灰化が観察された。次に、「同様にコラゲナーゼ処理しα-MEM(10%FBS)培地にて4代に亘る継代培養をした骨膜細胞に、BMP-2、VEGF、およびBMP-2/VEGF(1:1)の遺伝子をコードするプラスミドベクターをlipofection法を用いて導入した。その結果、全ての実験群においてアルカリフォスファターゼ陽性細胞の増殖が認められ、特にBMP-2/VEGFの群に関してのみ石灰化が観察された。対象群においてはアルカリフォスファターゼ陽性細胞の増殖および石灰化は観察されなかった。さらにこれらの細胞からRNAを抽出し、遺伝子発現をreal-time PCRにて比較すると、BMP-2、VEGF、TGF-β、osteopontin osteocalcin、collagen I、osteonectin、ALP、RUNX2の遺伝子発現の増加が実験群において観察された。 以上の結果から、培養骨膜細胞はBMP-2およびVEGFの遺伝子導入によって骨芽細胞様細胞へと分化誘導されることが観察された。18年度は、これらの遺伝子導入した骨膜細胞をヌードマウスへ移植することによって、移植部位における骨組織の形成、促進および増大を組織学的・分子生物学的に評価していく。
|