2005 Fiscal Year Annual Research Report
線形符号と群符号に対するトレリスにおける問題に関する研究
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17700008
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
KAN Haibin 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助手 (90345661)
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Keywords | Trellis / Group Codes / Linear Codes / Lattices / Characteristic Generators |
Research Abstract |
トレリスは符号理論の分野で広く研究されている。コードのトレリスはコードの構造を記述するだけでなく、効率的な復号アルゴリズムを提供するものである。復号の複雑さがトレリスの頂点数と枝数に強く依存しているため、コードに対して如何に小さなトレリスを構成するか,またトレリスにどのような性質があるかを調べることは,非常に重要である.2005年度において、トレリスに関する以下の研究成果を得ている。 従来から,線形符号およびグループ符号のためのトレリス理論が研究されてきているが、コードに対する最小のtail-bitingトレリスを構成する方法やその計算複雑度など,線形符号およびグループ符号のためのtail-bitingトレリスについては多くの未解決の問題が残されている。 R.KoetterとA.Vardyは2003年に、線形符号のための線形tail-bitingに関する理論を初めて系統的に研究し、線形符号に対する全ての最小線形tail-bitingトレリスがcharacteristic generatorから生成できること、また全てのcharacertistic generatorが容易に計算できることを証明した。また彼らは線形符号に対する線形tail-bitingのいくつかの性質を調べている。 本研究は、線形符号に対する線形tail-bitingについてのKoetterとVardyの理論をグループ符号へ拡張しようとするものである。まず始めに,グループ符号に対するcharacteristic generatorの定義を与え、それらの性質(線形符号に対するcharacteristic generatorの性質の一般化となっている)を明らかにした。KoetterとVardyの論文(IT Transactions、2003年9月に発行)に示されているいくつかの性質は,ここでの研究結果の特別なケースとなっている。これらの研究成果はIEICE Transactions, Fundamentalsへの採録が決定している。 ラティスは情報セキュリティだけでなく、通信においても使われる。ラティスに対する最小のトレリスを構成する問題の複雑さは未解決である。V.Tarokh、I..Blake、G.Forney、およびA.Banihashemiなどはこの分野で多くの優れた研究成果を挙げている。本研究では、今までとは全く異なる手法であるマトリックス法により,ラティスに対するトレリスの性質を明らかにした。また、トレリスに関連するトレリスの基底を計算するための効率的な方法を提案した。ここでの研究結果は、既存の結果より具体的であり、IEICE Transactions, Fundamentals 2005年7月号に掲載された。 これらの他に、直交したデザインからSpace-Time Block Codes(STBCs)の最小遅延について検討を行い、最小遅延の下界を与えた。この成果はIEEE Transactions Communicationsに発表する予定である。今後、トレリスを利用してSTBCを構成する方法について研究を進めていく予定である。
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Research Products
(4 results)