2006 Fiscal Year Annual Research Report
DNA計算における基本演算アルゴリズムに関する研究
Project/Area Number |
17700021
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤原 暁宏 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (10295008)
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Keywords | DNA計算 / アルゴリズム / 並列分散処理 / データ構造 |
Research Abstract |
本研究では,DNA計算における算術演算や論理演算を実行するための基本的なデータ構造の提案とともに,このデータ構造を用いた様々な基本演算に対して効率のよいアルゴリズムの提案を行っている.平成18年度に関しては,以下のような成果を得た. ・新たな基本演算アルゴリズムの提案 平成18年度においては,乗除算やその他の基本演算に対する効率的なアルゴリズムの提案を行った.まず,乗算及び除算を行うDNA計算アルゴリズムの提案を行った.本アルゴリズムは,DNA計算において,乗算及び除算を行う始めてのアルゴリズムであり,mビットの2進数の対に対して,O(log m)ステップで乗算及び除算が実行できることを示した. また,NP困難問題の1つである最大充足可能性問題に対するアルゴリズムの提案を行った.NP困難問題は通常の計算機では一般に指数時間の実行時間が必要であるが,本アルゴリズムを用いることにより,DNA計算においてO(1)ステップで最大充足可能性問題を解くことができることを示した. また,DNA計算におけるデータ構造の一つである論理鎖を生成するアルゴリズムについても提案を行った. ・クラスタ処理を用いたDNA計算シミュレータの実装 DNA計算では取り扱うデータ量が膨大であるため,1台の計算機を用いたシミュレータでは小規模なシミュレーションしか実行することができない.そこで,平成17年度に構築したシミュレータを元に,PCを用いた計算機クラスタによる並列処理環境にシミュレータを実装し,大規模データに対するシミュレーションを実行可能とするシミュレータの構築を行った.また,本シミュレータを利用して,提案したアルゴリズムの正当性を確認した.
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Research Products
(5 results)