2005 Fiscal Year Annual Research Report
高品質と納期を保証するソフトウェアプロジェクト管理のための予測システムの開発
Project/Area Number |
17700031
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
水野 修 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 助手 (60314407)
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Keywords | 実証的ソフトウェア工学 / データマイニング / プロジェクト管理 |
Research Abstract |
本研究の目的は,ソフトウェアの高い品質と正確な納期を保証するプロジェクト管理システムを開発することである.そのために,特に過去のデータに基づいたモデルから,将来発生しうるソフトウェア開発プロジェクトの異常状態を予測することを目指す.従来の手法では,ある特定の時点に収集されたデータしか利用できなかったため,未来を予測するための情報としては不十分であった.そこで本研究では,プロジェクト開発中の複数の時点からデータの収集を行い,ベイズ識別法をはじめとするデータ分類手法で分析を行うことで,より精度の高い混乱状態の予測手法を確立する.さらに,多くのソフトウェア開発組織からプロジェクトのデータを収集し,分析の結果をフィードバックするためにWebから利用可能なシステムを開発することを目指す. 平成17年度にはソフトウェアプロジェクトの異常状態を予測するための手法を整備した.そのために以下の2点を実施した. (1)主観的データを効果的に利用する手法の調査と分析 (2)データのモデル化手法の調査と分析 まず(1)について述べる.我々の研究では複数のソフトウェアの開発者から得られたプロジェクトの混乱状態に関する主観的データを利用している.そのため,複数の組織のデータが混ざり合ったときにその有効性が保たれるのかどうかを調べる必要があった.そのため,大規模なプロジェクトデータベースより得られたデータについて,複数の組織が混ざった状態での混乱予測実験などを試行した.その結果,多くのデータが混ざり合った状態ではそのデータの持つ有効な情報を活用できないことが判明した.そのため,できるだけドメインを統一したデータの収集が必要とする結論に至った. (2)については,これまでに利用してきたモデルだけではなく,データマイニング分野で提案されている最新の手法までを広く調査し,利点・欠点の分析を行った.結果としては意外にも従来利用してきたベイズ識別器の精度が非常に高いことを確認した.
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