2005 Fiscal Year Annual Research Report
スペクトル拡散および波形等化技術に基づく通信と情報処理融合型VLSIパラダイム
Project/Area Number |
17700048
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
弓仲 康史 群馬大学, 工学部, 助教授 (30272272)
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Keywords | 等化回路 / VLSIシステム / プリエンファシス / 多値情報処理 / FPAA / 回路シミュレータ / 波形整形 / CDMA |
Research Abstract |
集積回路システムにおける高速信号伝送時の問題点であった帯域制限による信号劣化を等化技術を用いて補正するアルゴリズムを検討し,高速高効率チップ内/間データ伝送技術をシミュレーション(SmartSpice-RF,Matlab/SIMULINK,ADS)および原理実験により評価を行った. (1)本研究者が提案しているチップ内/間CDMA技術は1本の信号線中に複数の信号を多重伝送可能であり,(1)配線数を削減可能,(2)クロストークノイズなどに対する耐ノイズ性に優れた情報伝送を可能とする.しかしながら,集積回路の高速動作に伴い,伝送路中の寄生素子に起因する帯域制限による信号劣化が生じ,エラーレートの増大を引き起こす.このような劣化波形は,チップ内/間の伝送路(低域通過特性)の逆特性を有する等化回路により補正する「等化技術」により整形可能であるが,実際の伝送路は伝達関数が定式化困難で逆特性が求められない場合があり,補正係数の最適な値を求めることが困難であった.これに対して,本年度は、補正係数を伝送路に応じて最適に決定するために,プログラム可能なアナログデバイスであるFPAAを用いて,等化回路の伝達関数をダイナミックに変更可能なフィードフォワード型等化器の実現を検討した.コンパクトな回路実装を指向した等化アルゴリズムと波形整形の効果等を検討し,伝送路の帯域幅を超えた高速高効率な情報伝送が可能であることを実証した. (2)さらに高効率な伝送を実現するために,多値信号伝送の波形整形を試み,パッシブイコライザの設計理論を導出した.また,帯域制限の影響を考慮し,波形をあらかじめ強調して伝送するプリエンファシス技術,および1本の信号線に双方向のデータを伝送する双方向通信技術等のデータ伝送技術の併用の検討を行った.
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