2005 Fiscal Year Annual Research Report
広域分散環境における高性能で記述の容易な並列ブログラミングシステムに関する研究
Project/Area Number |
17700050
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
遠藤 敏夫 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 科学技術振興特任教員 (80396788)
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Keywords | ハイパフォーマンス・コンピューティング / ディペンダブル・コンピューティング |
Research Abstract |
本研究の目的は,広域分散環境に適した並列プログラミングシステムの設計・実装である.自明ではない,タスク間の複雑な依存関係が存在する大規模並列計算を,広域分散環境で効率的に行うためには,それに対応したプログラミング環境とアルゴリズムの両方が必要である.本年度は動的な計算機環境と大きな通信遅延に対応可能な,プログラミングモデルの検討・設計と基本的な実装を行い,さらに大きな遅延に対応可能な並列アルゴリズムの提案と評価を行った.前者については,データフローが内包する並列性の効率的な利用と,高レベルなプログラム記述の両立が必要であるという方針に基づいて設計を行った.その過程において,タスクの効率的な非同期実行のために必要となる,短停止期間と高メモリ効率を実現するメモリ管理方式を研究し,情報処理学会論文誌に論文を発表した.また,後者の広域分散環境に適したアルゴリズムとして,耐遅延性にすぐれた連立一次方程式の並列アルゴリズムを提案し,国際ワークショップGrid2005と情報処理学会研究会で発表を行った.提案アルゴリズムは遅延の非常に大きい環境においても良好な性能を示した.この結果から,本システムが特徴とする広域分散環境レベルの遅延への耐性の有用性が示された.また同時に,設計中のシステムにとって,プログラマ側によるアルゴリズムの耐遅延の工夫を容易に記述可能である機構が重要であるという知見も得られた.本年度購入した小額備品のノート型パソコンは,システムと並列アルゴリズムの実装や,基本的な性能評価のために利用した.
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Research Products
(2 results)