2005 Fiscal Year Annual Research Report
P2Pアプリケーションのデバッグと性能評価のための統合開発環境の提案
Project/Area Number |
17700057
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
梅津 高朗 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 助手 (10346174)
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Keywords | P2Pアプリケーション / 開発環境 / ミドルウェア / P2Pプロトコル / デバッグ |
Research Abstract |
作成していたプロトタイプを元に,P2Pアプリケーション開発用統合開発環境の実装を進めた.まず,メッセージの到着などをトリガとするメッセージ駆動型のアプリケーションが複数EFSMベースで記述出来るネットワークプロトコル実装用フレームワークを構築し,Java言語によるスケルトン自動生成機能を実装した.次に,デバッガからの多数端末の一元的な操作によるデバッグ支援のため,遠隔操作機能を有したデバッグ用ライブラリを作成した.ライブラリには統合開発環境から利用するための遠隔操作機能や,接続関係調査機能といった動作確認用の機能に加え,動作確認や性能計測を簡単に行うためのパケットロスや切断を強制的に発生させる機能も追加した.それらを利用し,実際に動作するP2Pアプリケーション開発用統合環境を実装した.デバッグ用のライブラリは,統合開発環境を通して開発対象となるアプリケーションをロードする際に自動的にバイナリコードにリンクされ,任意のアプリケーションの開発時に遠隔操作の機能が利用可能となる. また,実際のインターネット上に大規模な実験環境を構築することは一研究機関では非常に困難なため,世界中から研究者などが計算機を互いに提供し合うことで構築された大規模実験用テストベッドであるPlanetLabへの対応を進めた.PlanetLabでは,sshプロトコルによる遠隔ログインが提供されているため,sshのターミナル経由でデバッガの有する遠隔操作機能が利用できるよう実装し,実環境での実験を行った.実験により,デバッガのオーバーヘッドを計測し,実用上差し支えのない程度であることを確認した.
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