2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17700060
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伊野 文彦 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 助手 (90346172)
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Keywords | 計算グリッド / 資源管理 / 短時間処理 / 性能評価 |
Research Abstract |
平成17年度の研究計画は,計算グリッド上で短時間処理を実現することを目的として,1)短時間処理のための計算資源管理手法の提案,および2)既存のグリッドミドルウェアと互換性のある実装の開発に取り組むことである.この計画を遂行するために,本年度は500台規模の計算グリッドに対し,1秒以内に適切な計算資源を選択できる手法を提案した.さらに,ミドルウェアの業界標準として広く用いられているGlobus Toolkit 2(GT2)と互換性のある実装を開発した. 1)に対しては,GT2に対する性能評価を基に,短時間処理のためには資源管理サーバにおける通信量および計算負荷の削減が必要であることを確認し,これらを削減できる手法を提案した.提案手法の主なアイデアは,計算ジョブに対する計算資源の適切さの度合いを計算資源自身が判定することにより,大量の監視データが通信されることを回避するとともに,分散計算によりサーバの計算負荷を軽減する点にある. 2)に対しては,上記の提案手法をGT2に組み込んだ実装を開発した.この実装では,GT2を構成する資源監視システムMonitoring and Discovery System(MDS)に着目し,MDSに対して資源情報を提供するコンポーネントの一つとして提案手法を実現する.この実現方法は,MDSの環境設定を変更しコンポーネントを計算資源に放送するだけでよく,MDSそのものの実装を修正する必要はない.したがって,GT2を用いる既存のグリッドシステムに対して提案手法を組み込む際の手間はさほど大きくない. 上記の成果を基に,来年度はグリッドアプリケーションの具体的な応用として医用画像処理ソフトウェアに着目し,実際のグリッドを用いた短時間処理を実現する.
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Research Products
(24 results)