2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17700066
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大森 洋一 九州大学, 大学院システム情報科学研究院, 助手 (20309727)
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Keywords | 形式的仕様 / 仕様獲得 / ドメインモデリング / ソフトウェア工学 / 要求工学 |
Research Abstract |
本研究は,特にネットワークやハードウェア制御といった比較的設計および実装の困難なソフトウェア作成において,対象分野の専門家が用いる自然言語を中心とする非形式的な問題記述から,計算機システムを用いた制御に関する形式化されたモデルについて仕様を抽出する手法の提案およびツールによる実証を目的としている. 今年度の成果は,主にモデル変換を伴う設計の段階的詳細化手順の実証と大学附属図書館における業務に関する事例研究であった. 7月に形式的仕様記述を用いた段階的詳細化に関する研究発表を行ない,エレベータ制御ソフトウェアの開発と例題として,図的な記述を用いた粗いモデリングによる機能抽出と形式言語による緻密な機能定義の組み合わせの有効性について議論した. この設計手順に基づいて,エレベータ模型の制御プログラムの仕様記述,設計,検証,および実装を行ない,さらに階数変更などの要求変更に対して,仕様変更から実装部分の特定および修正まで一貫性を維持できることを実証し,ソフトウェア開発を高次化できる可能性を示した. 12月に昨年度作成したGUIを利用したネットワーク透過な図書検索プログラムを拡張し,図書の貸し出し管理システムとの結合を行なった事例に関する研究発表を行なった. ここでは図書館の利用者窓口における基本的なサービスを完結させることができ,部分的な仕様記述からも適用範囲を広げていくことも有効であった. これらの検討を踏まえ,プロトタイプに対して,特に仕様変更に対応するための機能追加を行なった. プロトタイプはEclipseのplug-inとして作成し,自然言語で記述された仕様書の単語をマークすると,仕様書で用いられている単語を全てマークして,辞書に登録する. 来年度は,このプロトタイプを辞書データの分類とそれに基づく仕様書の洗練が行なえるような機能をサポートするように拡張する.
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