2005 Fiscal Year Annual Research Report
ピアツーピア技術を用いた安全な高信頼マルチキャスト通信に関する研究
Project/Area Number |
17700081
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
野口 拓 立命館大学, 情報理工学部, 講師 (00388133)
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Keywords | インターネット高度化 / ネットワーク / セキュア・ネットワーク / マルチキャスト / ピアツーピア |
Research Abstract |
インターネットアプリケーションの多様化に伴い、同一情報を同時に多数のユーザへ伝送する、一対多通信への要望が急速に高まってきている。普及容易性の観点から有力視されている一対多通信技術としてP2Pマルチキャストがある。P2Pマルチキャストでは、バケツリレーに似た方式で情報が第三者を経由して伝達されるため、通信を行うホスト同士の通信に第三者が介入する。そのため、第三者の故障等によって通信が切断される状況が発生し信頼性に課題が残る。本研究では、P2Pマルチキャストの信頼性向上に主眼を置き、データを中継する第三者の振る舞いに影響されない安定した通信路を提供する通信経路設定法ならびに通信路切断時のパケットロス回復制御技術の開発を試みた。具体的には、以下の結果を得た。 (1)P2Pマルチキャストにおける高信頼な情報配送経路設定法の提案 中継を行う第三者の影響を最小化する情報配送経路として、平衡木状の情報配送経路を構築する経路設定法を提案し、その伝送性能(スループット、ロス率、遅延)の点での有効性を計算機シミュレーションにより明らかにした。 (2)ワイヤレス環境下におけるパケットロス回復技術の開発 P2Pマルチキャストに無線ホストが参加する場合、無線ホストのハンドオーバによって、その無線ホスト自身および、無線ホストの中継に依存するホストにおいてパケットロスが発生する。上記(1)の情報配送経路設定法において、中継点となる無線ホスト数を最小化する最適化制御を行い、無線ホストの影響を最小限に抑える方式、およびハンドオーバロス発生時に移動前後のアクセスポイント間でパケット転送を行い効率的にロス回復を行う方式を提案し、その有効性を計算機シミュレーションにより明らかにした。
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