2006 Fiscal Year Annual Research Report
ピアツーピア技術を用いた安全な高信頼マルチキャスト通信に関する研究
Project/Area Number |
17700081
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
野口 拓 立命館大学, 情報理工学部, 講師 (00388133)
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Keywords | インターネット高度化 / ネットワーク / セキュア・ネットワーク / マルチキャスト / ピアツーピア |
Research Abstract |
インフラストラクチャのサポートが不必要なため,導入が容易なP2Pマルチキャストが一対多通信の現実解として注目を集めている.P2Pマルチキャストでは,送信データはホストの中継により全受信者へ配信される.このため,配信経路上の中継ホストの故障や離脱等によって通信が切断される状況が頻繁に発生し,信頼性が大きく低下する.この技術課題は,無線チャネルの通信品質の変動ならびにホストの移動性によって一時的な離脱が頻繁に発生するモバイルワイヤレスネットワークにおいて,特に顕著となる.また,マルチキャストグループに参加していない第三者が中継ホストとなりうるP2Pマルチキャストにおいて安全な通信を実現するためには,データの盗聴.改ざんを防ぐための暗号化が必須となる.本研究では,P2Pマルチキャストの信頼性および安全性向上に主眼を置き,モバイルワイヤレスネットワーク環境下において中継ホストの振る舞いの影響を最小化する複数配信経路設定法およびパケットロス発生時の効率的なロス回復手法の開発を行った.続いて,対称暗号を利用した分散型暗号化マルチキャストについて検討した.具体的には次の成果を得た. (1)複数配送経路を利用した高信頼P2Pマルチキャストの開発 複数の情報配信経路を構築する経路設定法を提案し,その伝送性能(スループット,ロス率,遅延)の点での有効性を計算機シミュレーションにより明らかにした.また,P2Pマルチキャストの効率的なロス回復手法としてTornado型符号を用いた誤り訂正方式を開発した. (2)対称暗号を利用した分散型暗号化P2Pマルチキャストの提案 第三者によるデータの盗聴・改ざんを防ぐ分散型暗号化マルチキャスト方式を提案し,その基本性能(暗号化負荷,遅延,消費帯域)を確認した.
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Research Products
(5 results)