2007 Fiscal Year Annual Research Report
時系列ボリュームデータ処理のための統合的手法に関する研究
Project/Area Number |
17700092
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 成雄 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 准教授 (40292619)
|
Keywords | 時系列ボリューム / 特異点 / 微分位相幾何学 / 可視化 / 視覚心理学 / 多様体学習 / Isomap / 変調処理 |
Research Abstract |
本年度は,時系列ボリュームの解析・可視化・設計の3つの処理のうち,解析と設計について重点的に研究を行い,当初の目的であった時系列ボリューム解析の基本技術の確立を実現した. 解析については,時系列ボリュームを構成するサンプル点が5次元となるため,サンプル点が構成する関数形状の補間が容易に実現できないことが問題であった.そこで本研究では,サンプル点の局所的な近接関係から,5次元空間に潜在する2次元の骨格木を,Isomapと呼ばれる多様体学習の手法を用いて次元圧縮を行う手法を開発した.この次元圧縮に基づく解析手法は,時系列ボリュームの重要な特徴部分を骨格木の分岐部分として同定できると共に,自動的な可視化パラメタの設定や,詳細度制御等の処理をほぼ自動的に提供できる利点があり,非常に汎用性の高いモデルであることがわかった. また,設計に関しては,上記で得られた骨格木を変形することで,与えられた時系列ボリュームへの設計や変調を施す機能を実現した.これは,時系列ボリュームデータから骨格木への双方向の写像を多様体学習による次元圧縮処理の際に保持することにより,実現できる.このような設計手法は,様々な特徴を含むボリュームデータを正規化し,共通の可視化パラメータでその特徴を浮き立たせることができる効果をもたらす. 以上により,前年度まで開発していた視覚特性に基づく可視化処理と合わせ,時系列ボリュームを解析するための重要な礎を構築することに成功した.
|