2005 Fiscal Year Annual Research Report
3次元モデルの質感表現・動的変化の圧縮に関する研究
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17700093
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山崎 俊彦 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助手 (70376599)
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Keywords | 3次元ビデオ / 3次元モデル / 圧縮 / 質感 |
Research Abstract |
(1)3次元モデルの質感表現情報圧縮 3次元モデルの質感表現情報の1つであるノーマルマップについて圧縮手法の開発を行った。ノーマルマッピングは少ないポリゴンデータで擬似的な3次元の凹凸感表現を可能にするレンダリング技術である。このノーマルマップに対しデータの正規化条件と分布の局所性を利用して、ベクトル量子化とエントロピー符号化を用いた高速かつ効率的な圧縮アルゴリズムを開発した。 (2)質感表現情報圧縮の数学的誤差モデル 従来のノーマルマップ圧縮技術においては、(x, y, z)の3成分のうち正規化条件を利用してz成分を省略することで圧縮率の向上を図るものが多かった。しかし、z成分を省略することで圧縮データ品質がどうなるか議論されずに用いられているため、最適である保証がなかった。そこで、正規化条件を用いたバンプマッフ圧縮の数学的誤差モデルを開発し、z成分を省略した方がよい場合とz成分も圧縮に含めた方がよい場合の境界条件を示した。 (3)質感表現情報圧縮における品質評価モデル 不可逆圧縮されたノーマルマップの品質は単体で評価できるものではなく、そのノーマルマップを用いてレンダリングされた最終的な3次元CGの画像品質によって評価しなくてはならないが莫大な演算コストがかかる。そのため、実際にレンダリングを行わなくても圧縮品質評価が行えるよう、数学的評価モデルを開発した。実験により提案モデルの妥当性も明らかにした。 (4)3次元モデルの動的変化情報圧縮 3次元モデルの動的な変化を効率よく圧縮するため、3次元メッシュブロック化、3次元拡張ブロックマッチング、残差情報に対する離散コサイン変換、残差情報に対する可変長符号化等の要素技術を開発した。予備実験によって隣接フレーム間の冗長度を効率よく削除出来ることを明らかにし、また圧縮効率や圧縮品質などに関して予備的な知見を得た。
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