2005 Fiscal Year Annual Research Report
結果ではなく過程を重視した知的生産支援インタフェースの研究
Project/Area Number |
17700095
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
五十嵐 健夫 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 助教授 (80345123)
|
Keywords | 手書き文字入力 / 音声認識 / 予測インタフェース |
Research Abstract |
本年においては、音声認識と手書き文字認識技術を組み合わせて、教育現場などにおける手書きの板書作業を支援する「音声ペン」システムを開発した。音声ペンの動作は以下のようなものである。 講義等においては、講師は講義内容を発言した後に同様の内容を板書することが多い。そこでまず発言内容をバックグラウンドで音声認識し、その講師が板書を開始したときに書いている文字をバックグラウンドで文字認識する。さらにその結果を用いて音声認識結果を検索し次に講師が書きたいことを予測する。講師がペンで書く作業を邪魔しないようにその予測を提示する。もしうまく予測が当たれば講師はその内容を選択し、その予測内容を講師の筆跡に似せたフォントで挿入することによりペンで手書きする労力を省くことができる。しかし音声認識や文字認識は誤りが多いので、うまく予測が当たらないことも良くある。そのような時は講師はこれらの予測を無視して手書き作業を継続することができる)。以上の作業において、各種認識技術が誤りを起こしたときにその訂正作業がまったく必要ない点が特徴である。一方この予測機能は講師だけでなく、ネットワーク接続されたすべての聴衆用ノートPCで利用可能であり、講師、聴衆ともども効率的なノート取り作業が行える。 本研究の成果は、当該分野において国際的にもっとも評価の高い学会であるCHI 2006(Human Computer Interaction 2006)において、4月に発表予定である。
|