2005 Fiscal Year Annual Research Report
ウェアラブルコンピューティングを支援する非目視手書き文字認識の研究
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17700098
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
中井 満 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助手 (60283149)
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Keywords | 手書き文字 / 指書き文字 / パターン認識 / ウェアラブル環境 / モバイル環境 / ユーザインタフェース |
Research Abstract |
ペンタブレットを利用したオンライン手書き文字認識装置を構築し、ウェアラブル環境下を模擬したデータ収集および認識手法の検討を行った。 1)非目視・空中手書き文字データの収集・整備 ペンタブレットを腰の位置に置いて、ディスプレイを見ずに筆記した非目視手書き文字データを収集した。また、金沢大学で開発中の磁気センサ方式による指位置検出器を用いて、空中での指書き文字のデータを収集した。この空中手書き文字はペンの上げ下げのない一筆書きになるので、この他にペンタブレットを用いて模擬した続け書き文字データも収集した。 2)非目視・空中手書き文字認識器(ソフトウェア)の開発 文字の崩れに頑健なサブストロークHMM(hidden Markov model)方式を用いて、空中手書き文字認識装置を構築した。空中での手書きデータは磁気センサの有効範囲外では指位置を検出できないので、有効範囲内での筆記を一文字と仮定した続け書きの文字構造辞書を新たに作成した。この辞書では従来のペンダウンサブストロークモデルに加えて、画の接続モデルが定義されており、それぞれをHMMを用いてモデル化した。 また、ペンタブレットを用いて、空中手書き文字認識を模擬するデモシステムを構築した。 3)データベースによる客観的評価 予備実験として、ペンタブレットで筆記したデータを用いてモデルを学習し、磁気センサを用いて収集した空中手書き文字の認識評価実験を行った。ひらがなのみを認識対象とした実験では5位までで約99%、漢字6,353文字を認識対象とした実験でも5位までで約93%の認識率を得た。 今後は、実環境での手書き文字サンプルを大量に収集し、十分な量を用いたモデルの学習・認識実験を行いつつ、認識精度の向上のための改良を行う。
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