2006 Fiscal Year Annual Research Report
ウェアラブルコンピューティングを支援する非目視手書き文字認識の研究
Project/Area Number |
17700098
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
中井 満 富山県立大学, 工学部, 講師 (60283149)
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Keywords | 手書き文字 / 指書き文字 / パターン認識 / ウェアラブルコンピューティング / モバイルコンピューティング / ユーザーインタフェース |
Research Abstract |
ウェアラブルコンピューティング用に開発した空中手書きデバイスを用いてデータを収集し、認識手法の改善を行った。 1)非目視・空中手書き文宇データの収集・整備 金沢大学で開発した磁気センサ方式による指位置検出器を用いて、空中での指書き文字のデータを収集した。収集文字数は平仮名71字種、各23〜35サンプルの計2,087文字である。この空中手書きデバイスには意図的にスイッチ類を設けないことにしたので、文字の特徴として、ペンの上げ下げのない一筆書きであること、文字の始点と終点が不明瞭なことが挙げられる。 2)非目視・空中手書き文字認識器(ソフトウェア)の開発 文字の崩れに頑健なサブストロークHMM(hidden Markov model)方式を用いて、空中手書き文字認識装置を構築した。空中での手書きデータは磁気センサの有効範囲外では指位置を検出できないので、有効範囲内での筆記を一文字と仮定した続け書きの文字構造辞書を新たに作成した。この辞書では従来のペンダウンサブストロークモデルに加えて、画の接続モデルが定義されており、それぞれをHMMを用いてモデル化した。また、文字の書き始め前と書き終わり後のモデルを追加することで、認識率の向上を図った。 3)データベースによる客観的評価 磁気センサを用いて収集した空中手書き文字の認識評価実験を行った。筆記者1名による特定筆記者実験ではあるが、もともと認識率の低い平仮名において96.1%の1位認識率を得た。 今後は、実環境での手書き文字サンプルを大量に収集し、不特定筆記者のモデルの学習・認識実験を行いつつ、認識精度の向上のための改良を行う。
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