Research Abstract |
本年度は,ポータブルな教授環境を構築するためのハードウェアシステム,及びそれらの駆動に必要な基本的なソフトウェアシステムの実装を行った。具体的には,遠隔地の受講者の活動に影響を与えずにその様子を観測したり,撮影したりするための環境として,3,4人が着席可能なテーブルの周囲に,受講者の動きなどの様子を観測するためのカメラ,発話者の位置を観測するためのマイクロフォン,受講者の動的な状況を撮影するためのパン・チルト・ズームの制御が可能なカメラを設置した.また,これらのセンサを駆動したり,センサから得られた情報を処理するためのPCを用意し,それぞれのPC間で情報を共有させるためにTCP/IPサブネットワーク環境を構築した.さらに,それぞれのハードウェアを使用した自動撮影システムを構築するのに必要な基本的なソフトウェア群のフレームワークとしてサーバクライアントモデルを採用し,ソフトウェアの実装を行った.まず,固定カメラで撮影した人物の様子から,各時刻毎に撮影された画像上の肌色領域を顔または手領域とみなし,人物の顔や手の動きを推定し,その結果をサーバに登録するソフトウェアを構築した.次に,サーバに登録された各カメラごとの推定結果を取得し,実際の人物の動きを推定する状況統合ソフトウェアを構築した.そして,状況統合ソフトウェアの推定結果に基づき,パン・チルト・ズームが可能なカメラを制御する自動撮影制御ソフトウェアを構築した.上述のように,情報獲得,情報統合,自動制御の各ソフトウェアをクライアントとするサーバクライアントモデルに基づいて構築することにより,各ソフトウェアについて様々なアルゴリズムを検証することが可能な環境を構築した.
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