2006 Fiscal Year Annual Research Report
透明物体の光学的特性および照明効果を考慮したリアルタイムレンダリング手法の研究
Project/Area Number |
17700114
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
岩崎 慶 和歌山大学, システム工学部, 助手 (90379610)
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Keywords | コンピュータグラフィクス / レンダリング / リアルタイムレンダリング / コースティクス / 透明物体 / 半透明物体 / 表面下散乱 |
Research Abstract |
透明な物体で生じる光学的効果(反射・屈折・コースティクス)を考慮した透明物体の高速レンダリング法の研究を行った。透明な物体として、水のような流体を対象とした研究を行った。また、大理石のような半透明物体をリアルタイムにレンダリングする研究を行った。 本研究では、流体シミュレーションの結果からリアルタイムに水面を構築し、レンダリングする方法を提案した。対象とする流体シミュレーションとしては、近年注目を集めている粒子法を扱った。粒子法では流体を離散的な粒子でシミュレーションしており、粒子から水面を構成する必要がある。そこで、シミュレーションに用いられる各粒子に濃度分布を与え、濃度分布から等値面を抽出し、等値面を水面として生成する。各粒子の濃度分布の計算をGPU(Graphics Processing Unit)で高速に計算する手法を提案した。流体シミュレーションの結果には、水表面が大変形するものも存在するため、位相が複雑な水面を表現するのに適しているポイントベースレンダリングをもちいて水面をレンダリングする方法を提案した。これらの結果をまとめ、国際会議Computer Graphics International 2006に投稿し採択された。 さらに、半透明な物体のリアルタイムレンダリング法を提案した。半透明物体をレンダリングするためには、半透明物体で散乱し視点に到達する光である表面下散乱光を考慮する必要がある。従来表面下散乱の計算には時間を要していたが、GPUを利用したアルゴリズムを開発することにより、リアルタイムに半透明物体をレンダリングする手法を提案した。この結果をまとめ、Visual Computing/グラフィクスとCAD合同シンポジウム2006に投稿し採択された。さらにこの成果をまとめ、画像電子学会論文誌に投稿し採択された。
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