2005 Fiscal Year Annual Research Report
ユビキタス環境においてシステムへの信頼形成を支援するエージェント
Project/Area Number |
17700149
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
八槇 博史 京都大学, 情報学研究科, 講師 (10322166)
|
Keywords | Automated Trust Negotiation / トラスト / 分散探索 / エージェント |
Research Abstract |
平成17年度は下記の研究課題について検討を行い、その成果の一部を国内外のワークショップ等で発表した。 1.トラスト形成のための最適な証明書交換方式の確立 トラスト形成時の証明書(個人情報)の交換を、利用者本人の選好(プリファレンス)に基づいて必要最小限度にとどめるための交換方式を検討した。 従来のAutomated Trust Negotiation研究における問題設定を、分散人工知能分野における分散探索問題のうちの特殊なものとして定義しなおすことで、分散探索アルゴリズムが適用可能であることを示した。 Automated Trust Negotiationは、サーバとクライアントのもつ情報開示ポリシーを変換することによって得られるAND-ORグラフの上で、情報開示プロセスに対応するサブグラフを求める問題に対応させることができる。Automated Trust Negotiationの分散探索問題としての特徴は、探索空間であるAND-ORグラフを、サーバとクライアントのいずれもが部分的にしか観測できないという点にある。加えて、不要なポリシーの開示を避けるための情報交換手順に工夫が求められる。 本研究においては、分散探索アルゴリズムとして、AO*方式および局所一貫性に基づく方式の二方式について検討を行い、特に後者について、不要な情報開示を極力押さえた上で、トラスト形成に必要な証明書交換が可能であることを理論的に示した。 また、シミュレーションを実施し、これらの方式におけるメッセージ交換数について評価を行った。 2.トラスト形成のためのサービス・証明書評価方式の確立 交換された証明書にもとづいて、トラストを形成してよいかどうかをエージェントが自動判定するための理論形成のための調査を行った。 証明書の評価を直接的に記述するためにXACMLを用いる方法や、利用者の効用関数として実装する方法について検討を行った。
|