2006 Fiscal Year Annual Research Report
受動知能と能動知能による知能の解釈と多自由度ロボットの自律制御への応用
Project/Area Number |
17700153
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
伊藤 一之 法政大学, 工学部, 専任講師 (90346411)
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Keywords | 自律制御 / 受動知能 / 能動知能 / 多自由度ロボット / 蛇型ロボット / 強化学習 |
Research Abstract |
本研究では,未知で複雑な実環境において活動する多自由度ロボットの制御系について考え,従来の物理量に基づく制御系に変わる新しい制御系として,知覚量に基づく制御系の必要性を述べた.特に,従来の制御系の問題点を「計測における問題」,「モデル構築における問題」,「実時間処理における問題」の3つの問題に整理して議論し,知覚量の抽出は,情報の世界で行うのではなく,実世界で行う必要があることを述べ,これを実現する枠組みとして受動知能と能動知能の二つの知能からなる知能の枠組みを提案した. 本研究の主張は,「実世界を情報処理系として利用することにより,未知環境から,実時間に抽象化された知覚量を抽出することが可能であること」および,「この知覚量を基に,実世界を抽象化された小さな世界として表現することで,制御則が簡単になり,複雑な環境における多自由度ロボットの制御が容易に行えること」の二つである. 提案手法の有用性を示すため,クローラで推進する蛇型ロボットを例に実際に受動知能を機構的に構成し,実世界の性質を使って方向の知覚量を抽出可能であることを示した.また,能動知能において方向の知覚量を制御量とすることで,制御系が簡略化され,1次元の知覚量を単純にフィードバックするだけで,6リンクの蛇型ロボットが障害物を回避しつつ光源へ向かって移動する振る舞いが実現されることを確認した.さらに,提案した枠組みを強化学習に適用し,状態行動空間を知覚量を用いて構成することで,状態行動空間の次元を大幅に削減することが可能であるとともに,強化学習に高い汎化能力が付加されることを示した.
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Research Products
(1 results)