Research Abstract |
今年度は,ダイアデックリフティングスキームから設計された双直交スプラインウェーブレットフィルタと,エントロピー最大化学習法を結びつけた隠蔽画像からの画像発見の研究を行った。エントロピー最大学習化法は,音声のようなスーパーガウシアン分布を有する混合信号の分離に対して良好な結果が得られるが,混合画像のように複雑な信号の場合は分離することが難しい。そこで,本研究では混合画像に対してスプラインウェーブレットフィルタを適用し,分布がスーパーガウシアンになる高周波成分を入力として用いた。実験では,ほとんど同じに見える12枚の画像から,それらに埋め込まれた11枚の画像を分離抽出することに成功した。この研究成果は,EUSIPCO2006でポスター発表した。本研究は,物体認識技術の基礎研究として行った。 さらに,リフティングウェーブレットの学習理論を用いた動画像からの物体認識システムの開発を行った。本システムは,4つのシステム部(検出部,特徴抽出部,学習部,認識部)からなっている。まず検出部では,我々が開発したコサイン最大化学習法により得られたリフティングウェーブレットを用いて,動画像中から動物体を検出した。特徴抽出部では,検出された物体に対してリフティングウェーブレット分解を施し,さらに位置ずれに頑健な自己相関ベクトルを計算し,物体の特徴次元を効率よく削減した。学習部では,リフティングウェーブレットの学習理論と判別分析法により,画像認識に適した特徴空間を構成した。最後に認識部において,動画像から抽出された質問画像と,あらかじめ計算しておいた特徴データベースとを比較照合し,認識結果を出力する。実験では,車両の認識システムを構築した。この研究成果は,ICVS2007において口頭発表を行った。
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